液体ヘリウムは低温工学や核磁気共鳴(NMR)、磁気共鳴イメージング(MRI)等の分野で主に使用されています。

  • HOME
  • 液体ヘリウム活用現場(液体編)

液体ヘリウム活用現場(液体編)

液体ヘリウムの活用

液体ヘリウムは低温工学や核磁気共鳴(NMR)、磁気共鳴イメージング(MRI)等の分野で主に使用されています。ここではその中でいくつかの分野について紹介します。

液体ヘリウムは低温工学の研究には不可欠

絶対零度付近での物質の挙動を調べる「低温工学」や「低温物理学」といった分野では、実際に絶対零度付近まで温度を下げる必要があり、その冷媒として液体ヘリウムが用いられています。

また、液体ヘリウムは極低温では流動性が高まり、粘性が0であるように流れる「超流動」という性質を示します。これは、液体ヘリウムが容器の壁面をよじ登ることで外へ溢れ出たり、原子一個が通れる程度の隙間に浸透したりする現象で、量子力学的に重要な研究対象となっています。

超伝導状態を作り出すには不可欠

超伝導とは、金属などの物質を非常に低温に冷却すると電気抵抗が急激に“ゼロ”になる現象です。この現象は非常に低い温度領域で発現するため、液体ヘリウムが必要不可欠です。磁場は電線の中に電流を流すことで発生し、電流量が多いほど強くなります。しかし、電線の電気抵抗により電流が流れると発熱し、普通の電線では一定以上の磁場を発生させることができません。

その点、超伝導状態であれば電気抵抗がゼロなので大量の電気を流しても発熱がなく、強力な磁場を発生させることができるのです。このように強い磁場を発生することができる超伝導電磁石を安定的に動作させるために液体ヘリウムが利用されています。

強力な磁場を利用した装置:NMRやMRI

核磁気共鳴(NMR)や磁気共鳴イメージング(MRI)では安定した強い磁場を必要とするため、上で説明した超伝導電磁石が使われています。超伝導電磁石を安定的に動作させるためには、年間数百~千リットルと非常に大量の液体ヘリウムが必要となります。

超伝導量子干渉計:SQUIDセンサー

超伝導量子干渉素子(SQUID)は“ジョセフソン接合”を用いた素子(磁気センサー)で、微小な磁場を測定するために使用されています。物質の磁気的性質を調べるために使用されている磁気特性測定装置 MPMSや脳の状態を調べる脳磁計(MEG)などにSQUIDが利用されています。これらの装置を使用するためには液体ヘリウムが欠かせません。